Kazu Mochizuki(望月カズ)
富士山の見えるところに眠りたい。日本が過去統治していた国には悲喜交々のスーパージャパニーズストーリーがある。朝鮮半島もしかりで、戦争孤児の父や母と呼ばれる日本人が何人かいるようだ。中でも現在の新幹線技術の基礎になった旧満鉄、夢の特急あじあ号が走る前、満蒙は日本の生命線と声高に叫ばれる以前の困難極まる時期に、4歳で満洲に渡り6歳で母親を亡くし孤児に、頭で理解するのも困難な幼少時代を満洲で過ごし朝鮮戦争真っ只中のソウルで、またそれ以降も、133人の孤児を一人で育て戦争孤児の母と呼ばれるに至ったスーパージャパニーズ望月カズさんの情報は、幾分残っている。冒頭の言葉は生前の彼女の言葉だ。
日本人として初めて大韓民国の国家表彰をされた【38度線のマリア】は、遺言通り富士の絶景を仰ぎ見ることができる静岡県富士市瑞林寺に眠る。韓国のフィランソロピストが一度は訪れねばならぬ場所だろう。今年は4ルート閉鎖されたとしてもやはり富士の魅力には言葉に変えがたい価値があると思う。